それさえもたぶん退屈な日々。

ぼんやりしてて自動移行されました

f-clan文庫

創刊時には様子見かなっておもってたf-clan文庫がどんどんわたしを殺しに来ているのでちょっとまとめて紹介。
あらすじはいずれもf-clan文庫より。

2011/10

発刊当初は様子見してたんだけど、気づいたら四冊とも買って読んでた。

『竜宮ホテル 迷い猫』(村山早紀

竜宮ホテルが、あなたをお待ちしております──。
作家の響呼は、異界の住人が見える左目を持ちながら、その力と、それゆえに見える世界を否定して生きてきた。だが、住まいの古アパートが崩壊し呆然としていた響呼は、その傍らで泣く猫の耳としっぽのある少女と出会う。泣き倒れてしまった少女を連れ、今はアパートとなっているクラシックホテル「竜宮ホテル」で世話になるが、そこは、美しくもどこか不思議な場所で……。

f-clan文庫

f-clan文庫以前は存じ上げなかった作家さん。
読んでから、普段は児童文庫で書かれてると知ったのだけど、非常に優しい世界の話だった。
本文に挿絵がないのだけど、それがまた雰囲気を作っている感じ。
連作で続きが読みたい。

『カイザー養成学園 君は世界を支配する。』(尾久山ゆうか)

君は、世界を崩壊させようとしている──
世界を平和的に統一するため、対話によって帝王を決めようと各国の皇嗣たちが集められた孤島の学園。だが、亡兄の跡を継いだライデンが目にしたのは、対話ではなく、力による戦いだった。メイドの鈴蘭の怯えから、ライデンは重圧により壊れていった皇嗣たちの実情を知る。そして帝王の座へ王手を掛けんとする、巨大軍事国家の国王アルクス・ケインの非情な行いに畏怖を抱くが……。

f-clan文庫

『恋する人魚姫』のシリーズをいくつか読んだことがあるなとおもっていて、この記事書くために調べてたら、以前コバルトでさくまゆうこ名義で書かれていたことを知って驚愕した。1stフレンドシリーズと超心理療法士「希祥」シリーズが好きだったよ! 驚いた。


ということはおいておいて、あらすじを全く読まず某まろんさんからの強烈なプッシュの勢いで読んだ。
面白かったです。どこに転がってくかわからない感じが凄く好き。ライデンが抱えている鬱屈も好き。
明かされたこともあるけど、かなり強烈にヒキがある話だったので続刊が楽しみ。

『天狐来々』(志麻友紀)

──本当に、唐変木なんだから!
絶世の美貌で、惑わされた男を幾度も破滅に追いやった傾国の魔性──のはずが、そんな自覚はなくどこまでも無邪気な天狐の李樹(性別不明)。惑わされないのは、李樹曰く「唐変木」な天帝の甥、半神の黒鴉だけだった。あまりの色香に常時は封じられている李樹だが、人界の危機を救うため解き放たれることになる。やっかい事を押しつけられた黒鴉が、監視役を務めるものの……!?

f-clan文庫

ローゼンクロイツ』だけかな?読んでたのは。
真っ先に出てくる感想は同じなんだけど、なぜ性別が不詳……! 作者の好みなんだろうなあとはおもうんだけれども。
しかし李樹はたいへんかわいいです。色気ある描写はされてるんだけど、基本可愛い。もふもふふさふさ。
これも事件そのものは終わってるんだけど、割と大事なことは解決されてないから続くんじゃないかな。

『ケガレの乙女』(麻木未穂)

もっともっと強くなって、愛する人を守りたい──!
魔物の血を引く「ケガレ」のマホソは、父の仇を討ち、国を統べる帝神から授かった使命を果たすために宮都へ向かう。だが、見つけた仇・シエンは、帝神の血を引かないとされる異端の皇子だった。仇討ちに失敗したマホソは捕らわれるが、シエンの近衛士ミオウに助けられ、宮城内に滞在することになる。そこでシエンの思いがけない素顔と、胸に秘めた苛烈な復讐心を知り……。

f-clan文庫

『黄金の魔女が棲む森』を発売当初に読んでたんだけど微妙に合わなかった作家さん。
ので、ちょっと構えてたんだけどやっぱりちょっと合わない。
設定も筋書きも好きなのでたぶん、キャラが好みじゃないんだろうなあ。でも続きが出たら読む。どこにどう行くのかは気になる。

2011/11

ラインナップが発表になった時からこれは狙われてる、と思ってて、ちかくに試験販売やってる本屋があったのでさっくり全冊お買い上げしてきた。

『なりそこない』(高里椎奈

僕らは皆、なりそこないだ。
休暇を過ごすため借りた山中のコテージには、見知らぬ四人の男と一匹のシェパード犬、そして赤ん坊がいた。しかも犬の飼い主は分からず、赤ん坊の身元も知れない。もしや、この中の誰かが誘拐してきたのでは──!? 疑心暗鬼の中、衝突しつつも赤ん坊の世話をすることで、性格も年代も違う彼らに、奇妙な交流が生まれ始める。やがて、各々が胸に秘めていた思いが零れ出て……。

f-clan文庫

薬屋探偵怪奇譚を何冊か読んでいたはず。
シチュエーションコメディみたいな……ミステリはミステリなんだけど、叙述トリック的なことを期待しすぎたのがきっと駄目だった。
五人の男たちがオロオロしてるのとかはおもしろかったんだけど。
しかし読了後に改めて表紙を見ると秀逸だなって思った。

『廃王国の六使徒』(栗原ちひろ

絶世の美貌、だけど「無能」──?
世界中の呪いが集まる街で生まれ育ちながら「無能」なアレシュは、絶世の美貌と父の遺産である魔香水を駆使して、美と恋を謳歌していた。だが、呪われた街を浄化しようと、神の寵愛深い司教が乗り込んでくる。一癖も二癖もある知人──自称兄貴分な下僕、愛玩中毒な魔女、葬儀屋の首領、魔界の住人であるメイドの少女──と共に、アレシュは街を守る「深淵の使徒」を結成し……。

f-clan文庫

既刊はほとんど既読(多分何冊かは読んでない)。
今回一番楽しみだったんだけどもう最初からミランくんがかわいい。
出て来る人出てくる人がもう駄目人間で、最終的にまっとうな人はいなかった感じなのですが、最後の最後で出てくる人が全て背負ってるんでいいんじゃないのかな!
栗原ちひろがかくと、神様がすごく歪んで見えるのが好き。

『相棒とわたし』(瑞山いつき

彼の隣りは絶対に譲らない……!
旧貴族のエッドは、大地のエネルギーを喰う核獣を狩る滅核獣師になるため、幼馴染みのラッセと共に準軍学校に入学した。相棒として彼の隣りにあることを信じていても、戦士として、そして女としては少しだけ自信がなかった。けれど王制復活を目論む反乱により、ラッセが核獣の王として覚醒してしまう。冷たい眼差しのラッセに、エッドは相棒としての覚悟を秘めて対峙し……!

f-clan文庫

スカーレットクロス以外が既読かな?
しかし、今まで読んだ瑞山いつきなかだと一番好き。
幼馴染二人がお互い意識したりしなかったりの絶妙な距離感がたいへんよいです。
ところで、いま改めて粗筋を読んだら、本文を読んでいたときに「ここまで一巻目でやるのか!」と思っていたことがさらっと書かれていて驚いた。
シリーズラスボスっぽいのがちゃんと出てきたのに、次巻以降もちこし物がすごく多いので続きを大変期待。

『妓楼には鍵の姫が住まう −死人視の男−』(水瀬桂子)

吉原の守り神は、天井裏の化け物姫──。
死人が見える目を持つ黄泉がえりの誠二は、生きている実感を持てず、日々を怠惰に過ごしていた。だが深夜の妓楼で美青年を従えた妖艶で高慢な少女、紅羽と出会う。どこへでも出入りできる不思議な鍵を持ち、化け物姫の異名をとる紅羽。「わらわの下僕となって働け」と、街で起こっている殺人事件の解明を手伝うよう命じられ、自らの力を疎ましく思っている誠二は拒絶するが……。

f-clan文庫

渡瀬桂子の別名義とのこと。公式ブログでのかかれ方を見ると、2つの名前を併用するみたい?
架空未来の江戸の話。
わりとタイトルから想像する中身で間違ってない話なんですがおもしろかった。これも一冊まるっとプロローグのような話なので続きが楽しみ。
作者のサイト(瀬を渡り水の向こうへ - FC2 BLOG パスワード認証)で小話が公開されてます*1

2011/12

この月はタイトル買い。

『お帰りください、勇者さま』(天野頌子)

間違いない。彼はだめ勇者だ……!
滅亡に瀕した国を救うため、ぎっくり腰の神官長に代わり勇者を召喚した神官のリュシオン。しかしその勇者・瑛一は使命を拒否し、なんとか説得してもいざという時の逃げ足だけが速い始末。不安と絶望に駆られるものの、そんな勇者を召喚した責任は己にある。苦悩するリュシオンは瑛一のわがままに振り回されつつも、宥め煽てて時に脅して、使命を果たしてもらおうと奮闘するが……。

f-clan文庫

『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』を既読。
わりとよくあるタイプな召喚系トリップものなんですが、この、妙なリアリティあふれる勇者が! とてもたのしかったです。
召喚側がもってる資料もまた楽しくて楽しくて。
最終的なオチには吹かざるを得なかった。いいパラダイムシフトでした。

ビスクドールは家出中』(長野和泉)

わたしを造った理由を教えて
わたしは、自分が生まれたこの世界を見てみたい!」アメシスは、黒衣の人形師・ベトレイヤーによって造り出された自律人形。そのオッドアイに映る全てが知りたくて、主の元を旅立つ。向かう先は黒い雨が降りしきる頽廃都市ジンバック。娼館で暮らす人形たち、妹を亡くした足が不自由な女の子……残酷でいて温かい人々との出会いが、世間知らずだったアメシスを変えていく……。

f-clan文庫

この本が出るまで知らなかったのだけど、ゲームシナリオライターの方。と言うかいま改めて帯をみたら『薄桜鬼』の方だった。そうだったのか!
主人公である、ビスクドールのアメシスは大変可愛かったし知識欲旺盛な様も好きなんだけど、ベトレイヤーがとにかくわたしの駄目な方のツンデレで楽しみきれなかったのでした……

*1:記事への直リンクはやめてくれというのでブログに。カテゴリの小話で抽出できます